会議結果報告

第32回アジア消防長協会総会(横浜市)

2022年6月7日~8日
パシフィコ横浜

第32回アジア消防長協会総会(横浜市)                             

 第32回アジア消防長協会(イフカ)総会は、2022年6月7日(火)、6月8日(水)の両日、横浜市のパシフィコ横浜において開催された。
 6月7日(火)9時30分から横浜市のパシフィコ横浜会議棟メインホールにおいて、第32回イフカ総会の開会式が行われた。第74回全国消防長会総会と合同で開催された開会式には、会員であるアジア・オセアニア地域の消防長や消防幹部職員及び消防関係者等3か国から約560名が出席して盛大に開催された。
 合同開会式では、司会者による開会が告げられた後、出席者全員により消防殉職者の御霊に対する黙祷が捧げられた。その後、開催地を代表して横浜市の山中竹春市長のあいさつ、続いてイフカを代表して清水洋文イフカ会長によるあいさつが行われた。引き続き全国消防長会の定例表彰が行われた後、総務省消防庁の内藤尚志長官、神奈川県の黒岩祐二知事、日本消防協会の秋本敏文会長、横浜市会の清水富雄議長よりご祝辞を頂き、またそのほかの来賓紹介と祝電披露を行った後に、開会式は終了した。

第32回アジア消防長協会総会・第74回全国消防長会総会 合同開会式

  • 清水洋文 イフカ会長
    清水洋文 イフカ会長
  • 山中竹春 横浜市長
    山中竹春 横浜市長
  • 内藤尚志 総務省消防庁長官
    内藤尚志 総務省消防庁長官

 10時30分から第74回全国消防長会総会が行われた後、14時10分から同会場とオンラインにてイフカ総会定例会議が開催され、定例会議の議長は清水洋文イフカ会長の代理としてイフカ理事である名古屋市消防局の小出豊明消防長がつとめた。イフカとしては初めてのハイブリッド形式による会議開催となり、以下の5つの議案について審議が行われた。

(総会定例会議議案)
  1 第31会計年度事業報告及び収支決算について
  2 第32会計年度事業計画(案)及び収支予算(案)について
  3 消防防災機関の連携強化による災害対応能力の向上について
  4 役員の改選(案)について
  5 第33回総会の開催について

 上記議案1、2については、イフカ事務局の吉田事務総長より説明があり、原案どおり可決された。また、3号議案については、福岡市消防局の内村弘文消防局長(イフカ理事)より提案され、可決された。4号議案については、本年で現役員の任期が満了となるため、新役員について、会長は日本国、副会長は香港、マレーシア、フィリピン共和国、シンガポール共和国から各1名を選出、理事については新たに堺市消防局の新開実消防局長にイフカ理事を委嘱し、その他理事は現任者が留任する旨を吉田事務総長より提案し、可決された。終わりに、5号議案については、次期2024年の第33回イフカ総会は、マレーシアにおいて開催することに決定し、マレーシア消防救助庁モハマッド・ハムダン・ビン・ハジ・ワヒド長官からの開催引き受け挨拶を吉田事務総長が代読した。

イフカ定例会議

  • 小出豊明 名古屋市消防局消防長
    小出豊明 名古屋市消防局消防長
  • 内村弘文 福岡市消防局長
    内村弘文 福岡市消防局長
  • 吉田敏治 イフカ事務総長
    吉田敏治 イフカ事務総長

 15時00分より同会場において、ハイブリッド形式にてイフカ各国消防事情発表を開催し、横浜市消防局戸塚消防署の岸信行署長、フィリピン消防庁のルーイ・S・プラカン長官がそれぞれ発表を行った。その後、バングラデシュ民間防衛庁のメイン・ウッディーン長官、西オーストラリア州消防局のダーレン・クレム局長、シンガポール民間防衛庁のアンソニー・トー副長官がそれぞれオンラインにて発表を行った。

イフカ各国消防事情発表 発表テーマ
1 「VRによる消防教育訓練の必要性」
   横浜市消防局 戸塚消防署長 岸 信行氏
2 「人道支援と災害救援-フィリピン消防庁の経験」
   フィリピン消防庁長官 ルーイ・S・プラカン氏
3 「コロナ禍における消防活動と防災」
   バングラデシュ消防民間防衛庁長官 メイン・ウッディーン氏
4 「西オーストラリア州の防災」 
   西オーストラリア州消防局長 ダーレン・クレム氏
5 「科学技術による隊員の安全性と活動能力の向上」
   シンガポール民間防衛庁副長官 アンソニー・トー氏

イフカ各国消防事情発表

  • 岸信行 横浜市消防局 戸塚消防署長
    岸信行
    横浜市消防局 戸塚消防署長
  • ルーイ・S・プラカン フィリピン消防庁長官
    ルーイ・S・プラカン
    フィリピン消防庁長官
  • メイン・ウッディーン バングラデシュ消防民間防衛庁長官
    メイン・ウッディーン
    バングラデシュ消防民間防衛庁長官
  • ダーレン・クレム 西オーストラリア州消防局長
    ダーレン・クレム
    西オーストラリア州消防局長
  • アンソニー・トー シンガポール民間防衛庁副長官
    アンソニー・トー
    シンガポール民間防衛庁副長官

 16時20分から3階315会議室において、ハイブリッド形式にて合同記者会見を開催し、イフカ副会長及びイフカ理事が消防関係報道機関からの質問に回答した。

合同記者会見

 翌6月8日(水)は17時20分からメインホールにおいて、イフカ総会と全国消防長会総会の合同閉会式が行われ、初めにイフカ副会長であるフィリピン消防庁のルーイ・S・プラカン長官によって、第32回イフカ総会の成果としてイフカ宣言の朗読が行われた。その後、清水洋文イフカ会長の代理として開催地のイフカ理事である横浜市消防局の平中隆消防局長よりあいさつが行われ、2日間にわたる総会は成功のうちに幕を閉じた。

合同閉会式

  • イフカ宣言 ルーイ・S・プラカン フィリピン消防庁長官
    イフカ宣言
    ルーイ・S・プラカン
    フィリピン消防庁長官
  • 平中隆 横浜市消防局長
    平中隆 横浜市消防局長
  • イフカ記念プレート
    イフカ記念プレート

第32回イフカ総会参加状況

・総会参加人数 約560名(6月7日の開会式出席者)
・総会参加国及び地域(10か国1地域)  オーストラリア連邦(オンライン参加)、バングラデシュ人民共和国(オンライン参加)、ブルネイ・ダルサラーム国(オンライン参加)、インド共和国(オンライン参加)、イスラエル国(合同訓練のみ参加)、日本国、マレーシア(合同訓練のみ参加)、フィリピン共和国、シンガポール共和国(オンライン参加)、台湾(オンライン参加)、ベトナム社会主義共和国

第32回イフカ総会関連行事

○ 理事会
 5月12日(木)に書面会議にて理事会を開催し、第32回イフカ総会の議案項目について審議し、承認された。

○ IFCAA2022国際消防救助隊合同訓練
 6月7日(火)10時00分から、横浜市の神明台処分地において、イフカでは4回目となる消防救助隊による合同訓練が行われた。本訓練では大規模地震災害を想定した各種訓練を実施し、海外からはイフカ会員の所属する3つの消防・防災機関から計6名の隊員が参加し、日本国からは横浜市消防局、川崎市消防局、横須賀市消防局、藤沢市消防局、相模原市消防局の隊員が参加した。
 また、本訓練に参加した海外の隊員に対してワークショップが開催され、倒壊建物での救助活動、ブリーチング(開口部の設定)、ショアリング(倒壊建物等の安定化)、CSR(閉鎖空間での救助活動)等に関する技術指導が行われた。

(訓練に参加した、イフカ会員が所属する国の消防・防災機関)
① マレーシア消防救助庁
② イスラエル消防救助庁
③ ベトナム公安省消防警察局

○ 横浜国際消防・防災展
 6月8日(水)から6月9日(木)の2日間、パシフィコ横浜展示ホールA及び沢渡中央公園にて、IFCAA2022YOKOHAMA実行委員会の主催による「横浜国際消防・防災展」が開催され、2日間で延べ5,643人が来場した。

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