会議結果報告

第30回アジア消防長協会総会(東京都)

2018年5月31日~6月1日
東京ビッグサイト

第30回アジア消防長協会総会(東京都)                             

 第30回アジア消防長協会(イフカ)総会は、2018年5月31日(木)、6月1日(金)の両日、東京都の東京ビッグサイトにおいて開催された。
 5月31日(木)10時30分から会議棟7階国際会議場において、第30回イフカ総会の開会式が行なわれた。第70回全国消防長会総会と合同で開催された開会式には、会員であるアジア・オセアニア地域の消防長や消防幹部職員及び消防関係者等15カ国2地域から約600名が出席して盛大に開催された。
 合同開会式では、イフカ理事である札幌市消防局の萬年清隆局長による開会宣言の後、出席者全員により消防殉職者の御霊に対する黙祷が捧げられた。その後、開催地を代表して東京都の小池百合子知事のあいさつ、続いてイフカを代表して村上研一イフカ会長によるあいさつが行われた後に、イフカ功労賞の授与が行われ、村上イフカ会長より、永年にわたりイフカ役員としてイフカの事業にご協力いただいているシンガポール民間防衛庁のエリック・ヤップ・ウィー・テック長官に記念の楯が渡された。その後、総務省消防庁の稲山博司長官、日本消防協会の秋本敏文会長、東京都議会の尾崎大介議長、東京都消防協会の沖山仁会長よりそれぞれご祝辞を頂き、その他のご来賓の方々の紹介、祝電披露の後に、開会式は終了した。

第30回アジア消防長協会総会・第70回全国消防長会総会 合同開会式

  • 萬年清隆 札幌市消防局長
    萬年清隆 札幌市消防局長
  • 小池百合子 東京都知事
    小池百合子 東京都知事
  • イフカ功労賞授与
    イフカ功労賞授与

 開会式終了後、11時30分から、同会場においてイフカ定例会議が開催された。定例会議の議長は村上イフカ会長がつとめ、先ず初めに坂野恵三イフカ事務総長より、フィリピン共和国から2名、台湾から2名、ベトナム社会主義共和国から1名が新たにイフカ正会員として、またフィリピン共和国から2名が新たにイフカ準会員として入会した旨の報告があり、次いで以下の5つの議案について審議が行われた。

(総会定例会議議案)
 1.第29会計年度(2016~2017)の事業報告及び収支決算について
 2.第30会計年度(2018~2019)の事業計画及び収支予算について
 3.災害情報等を共有化するための枠組みの構築について
 4.役員の改選について
 5.第31回総会の開催について

 上記1、2号議案については坂野イフカ事務総長より説明し、全て原案通り可決された。また、3号議案については、名古屋市消防局の木全誠一消防長(イフカ理事)より提案され、可決された。4号議案については、会長は日本国、副会長は香港、マレーシア、フィリピン共和国、シンガポール共和国から各1名を選出、理事については現任者が留任する旨と、新たに入会したベトナム社会主義共和国公安省警察消防局のドアン・ヴィエット・マン局長にイフカ理事を委嘱するという事務局案を坂野イフカ事務総長より提案し、可決された。終わりに、5号議案の2020年の次期第31回イフカ総会開催について審議され、台湾において開催することに決定した。開催地を代表して台湾内政部消防署のチェン・ウェンロン署長が開催受諾のあいさつを行った。

イフカ定例会議

  • 村上研一 イフカ会長
    村上研一 イフカ会長
  • 坂野恵三 イフカ事務総長
    坂野恵三 イフカ事務総長
  • 木全誠一 名古屋市消防長
    木全誠一 名古屋市消防長
  • チェン・ウェンロン 台湾内政部消防署長
    チェン・ウェンロン
    台湾内政部消防署長

 昼食後、13時10分からは、開催地主催の視察研修が行われ、日本国以外のイフカ会員は東京都内の防災施設の視察を行った。また、日本国のイフカ会員は13時10分から、第70回全国消防長会総会に出席した。
 翌10日(金)は、10時00分より東屋外特設会場において、「イフカ国際救助隊合同訓練」を実施した後、東京国際消防防災展2018の視察を行った。またイフカ会長、副会長および一部の理事は、11時00分から6階608会議室にて行われた合同記者会見に出席し、消防関係報道機関と活発な意見交換を行った。

イフカ国際救助隊合同訓練

合同記者会見

 
昼食後、14時10分より、7階国際会議場において、イフカ各国消防事情発表が行われ、ニュージーランド消防緊急庁のリース・ジョーンズ長官、イスラエル消防救助庁のデディ・シムヒ長官、熊本市消防局の西岡哲弘局長が発表を行い、発表後に村上イフカ会長より3名の発表者に対して記念品が贈呈された。

イフカ各国消防事情発表

  • リース・ジョーンズ ニュージーランド消防緊急庁長官
    リース・ジョーンズ
    ニュージーランド消防緊急庁長官
  • デディ・シムヒ イスラエル消防救助庁長官
    デディ・シムヒ
    イスラエル消防救助庁長官
  • 西岡哲弘 熊本市消防局長
    西岡哲弘 熊本市消防局長

 休憩後、16時10分から同会場にて、イフカ総会と全国消防長会総会の合同閉会式が行われ、始めにイフカ副会長である香港消防局のリー・キンヤット・ダリル局長によって、第30回イフカ総会の成果としての宣言の朗読が行われた。その後、村上イフカ会長のあいさつに引き続き恒例の次期総会開催地への総会引き継ぎ式が行われ、村上会長から、2020年のイフカ総会開催地である台湾のチェン・ウェンロン台湾内政部消防署長へ「イフカ記念プレート」が手渡された。最後にイフカ理事である高知市消防局の髙井祐介局長が閉会宣言を行い、2日間にわたる総会は成功裏に幕を閉じた。                         

イフカ宣言、東京フレームワーク、災害事例集(PDFファイル)

合同閉会式

  • イフカ宣言 リー・キンヤット・ダリル 香港消防局長
    イフカ宣言
    リー・キンヤット・ダリル
    香港消防局長
  • デディ・シムヒ イスラエル消防救助庁長官
    イフカ記念プレートの引き継ぎ
  • 髙井祐介 高知市消防局長
    髙井祐介 高知市消防局長

第30回イフカ総会参加状況

・総会参加人数 約600名(5月31日の開会式出席者)
・総会参加国及び地域
○ イフカ会員が所属する国・地域(15ヶ国2地域)  オーストラリア連邦、バングラデシュ人民共和国(合同訓練のみ参加)、ブルネイ・ダルサラーム国、香港特別行政区、インド、インドネシア共和国、イスラエル国、日本国、大韓民国、マレーシア(合同訓練のみ参加)、モンゴル国、ニュージーランド、パプアニューギニア独立国、フィリピン共和国、シンガポール共和国、台湾、ベトナム社会主義共和国

イフカ各国消防事情発表

6月1日(金)
14時10分~15時30分
(1)「ニュージーランド消防緊急庁-その規模拡大と新たな危機管理」
  ニュージーランド消防緊急庁長官 リース・ジョーンズ氏
(2)「テロ・ミサイル攻撃と消防活動」
  イスラエル消防救助庁長官 デディ・シムヒ氏
(3)「平成28年熊本地震における災害対応と課題」
  熊本市消防局長 西岡哲弘氏

第30回イフカ総会関連行事

○ 理事会
 5月30日(水)16時30分から、6階の607~608会議室において、総会運営打合せ会である理事会を開催し、総会定例会議への提出議案についての審議を行った。また、本理事会において、フィリピン共和国から2名、台湾から2名、ベトナム社会主義共和国から1名の計5名が正会員として、フィリピン共和国から2名が準会員として入会が承認されるとともに、マレーシア消防救助庁のダト・スリ・ハジ・ワン・モッド・ノア・ビン・ハジ・イブラヒム前長官とシンガポール民間防衛庁のエリック・ヤップ・ウィー・テック長官へのイフカ功労賞の授与が承認された。

○ イフカ国際救助隊合同訓練
 6月1日(金)10時00分から、東屋外特設会場において、イフカでは3回目となる国際救助隊による合同訓練が行われた。
 訓練では、CSR(閉鎖空間での救助活動)、クリビング・リフティング(重量物の持ち上げ及び安定化)、ブリーチング(開口部の設定)、ショアリング(応急的な建物の安定化)等の技術を駆使して、車両や倒壊家屋の中からの人命救助活動を展開した。本訓練には、日本国から東京消防庁等の隊員、海外からはイフカ会員の所属する8つの消防・防災機関から計15名の国際救助隊員が参加した。
 また本訓練に参加した海外の国際救助隊員に対して、5月31日(木)午前及び6月1日(金)午後に、東京消防庁主催の国際救助技術ワークショップが開催され、都市型捜索救助に関する技術指導や意見交換が行われた。

(訓練に参加した、イフカ会員が所属する国・地域の消防・防災機関)
① バングラデシュ消防民間防衛庁
② ジャカルタ消防救助局
③ 香港消防局
④ マレーシア消防救助庁
⑤ モンゴル国家危機管理庁消防局
⑥ シンガポール民間防衛庁
⑦ 台湾内政部消防署
⑧ ベトナム公安省消防警察局

○ 東京国際消防防災展2018
 5月31日(木)から6月4日(日)の4日間、東京ビッグサイト東5~7ホール及び東屋外特設会場にて、東京消防庁と東京ビッグサイトの主催による「東京国際消防防災展2018」が開催され、179,428人が来場した。

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