会議結果報告
第29回アジア消防長協会総会(大阪市)
2016年6月9日〜10日
ハイアットリージェンシー大阪(HRO)

第29回アジア消防長協会(イフカ)総会は、2016年6月9日(木)、10日(金)の両日、大阪市のハイアットリージェンシー大阪(HRO)において開催された。
6月9日(木)10時00分からHRO宴会棟3階「リージェンシーボールルーム(RB)A~D」において、第29回イフカ総会の開会式が行なわれた。第68回全国消防長会総会と合同で開催された開会式には、会員であるアジア・オセアニア地域の消防長や消防幹部職員及び消防関係者等15カ国2地域から約500名が出席して盛大に開催された。司会者による開会が告げられた後、出席者全員により消防殉職者の御霊に対する黙祷が捧げられ、その後、開催地を代表して大阪市の吉村洋文市長のあいさつ、続いてイフカを代表して高橋淳イフカ会長の代理として、イフカ理事である京都市消防局の杉本栄一消防局長によるあいさつが行われた。引き続き全国消防長会の定例表彰が行われた後、総務省消防庁の佐々木敦朗長官、大阪府知事代理として竹内廣行副知事、日本消防協会の秋本敏文会長、大阪市会の木下誠議長よりそれぞれご祝辞を頂き、その他のご来賓の方々の紹介、祝電披露の後に、開会式は閉会した。
第29回アジア消防長協会総会・第68回全国消防長会総会 合同開会式
開会式終了後、11時10分から、同会場においてイフカ定例会議が開催された。定例会議の議長は開催地のイフカ理事である大阪市消防局の藤井茂樹消防局長がつとめ、先ず初めに事務局の須貝俊司イフカ事務総長より、モンゴル国から1名、フィリピン共和国から13名が新たにイフカ正会員として入会した旨の報告があり、次いで以下の7つの議案について審議が行われた。
(総会定例会議議案)
1.第28会計年度(2014~2015)の事業報告について
2.第28会計年度(2014~2015)の収支決算について
3.第29会計年度(2016~2017)の事業計画について
4.第29会計年度(2016~2017)の収支予算について
5.国際消防救助隊の連携強化による効果的な災害対応の推進について
6.大規模災害に対する活動能力の向上について
7.第30回総会の開催について
上記1号から4号議案は須貝事務総長より説明し、全て原案通り可決された。また、5号議案については、台湾内政部消防署のイエ・ジータン署長(イフカ理事)より、6号議案については横浜市消防局の久保田真人消防局長(イフカ理事)よりそれぞれ提案され、議決された。終わりに、7号議案の2018年の次期第30回イフカ総会開催について審議され、東京都において開催することが決定された。次期開催地を代表して高橋淳東京消防庁消防総監(イフカ会長)の代理として、東京消防庁消防学校の土屋雅義学校長が開催受諾のあいさつを行った。
イフカ定例会議
その後、12時30分からは、開催地主催の視察研修が行われ、日本国以外のイフカ会員は大阪市内の視察を行った。また、日本国のイフカ会員は昼食休憩の後、13時10分から、第68回全国消防長会総会に出席した。
翌10日(金)は、9時30分よりアジア太平洋トレードセンター(ATC)において、「IFCAA2016大阪国際消防防災展」の開会式が盛大に開催され、イフカ会長・副会長等によるテープカットが行われた。続いて10時15分よりATC屋外の特設会場において、「IFCAA2016国際救助隊合同訓練」を実施した後、展示会及び市民啓発イベントの視察を行った。
合同訓練
昼食後、13時15分より、RB-A~Cにおいて、各国消防事情発表第1部が行われ、広島市消防局中消防署の水落勝署長、イラン・イスラム共和国テヘラン消防局のモハンマドレザ・シェイクフカゼム・バルゼガリ都市開発計画部専門官、香港消防局のライ・マンヒン・デビッド局長が発表を行った。
10分間の休憩の後、14時25分から各国消防事情発表第2部が行われ、バングラデシュ消防民間防衛庁のアリ・アーメド・カーン長官、シンガポール民間防衛庁のエリック・ヤップ・ウィー・テック長官、東京消防庁の松川茂夫総務部長が発表を行った後、高橋イフカ会長より6名の消防事情発表者に対して記念品の贈呈があった。
イフカ各国消防事情発表 第2部
休憩後、15時40分から同会場にて、イフカ総会と全国消防長会総会の合同閉会式が行われ、始めに開催地を代表して藤井茂樹大阪市消防局長よりあいさつが行われた後、イフカ副会長代理であるフィリピン消防庁のボビー・V・バルエロ副長官によって、第29回イフカ総会の成果としての宣言の朗読が行われた。引き続き高橋淳イフカ会長から閉会のあいさつが行われた後、恒例の次期総会開催地への総会引き継ぎ式が行われ、藤井茂樹大阪市消防局長から、2018年のイフカ総会開催地である東京都の高橋淳東京消防庁消防総監(イフカ会長)へ「イフカ記念プレート」が手渡され、2日間にわたる総会は成功裏に幕を閉じた。
第29回イフカ総会参加状況
・総会参加人数 約500名(6月9日の開会式出席者)
・総会参加国及び地域
○ イフカ会員が属する国・地域(14ヶ国2地域)
オーストラリア連邦、バングラデシュ人民共和国、香港特別行政区、インドネシア共和国、イラン・イスラム共和国、日本国、大韓民国、クウェート国、マレーシア(合同訓練のみ参加)、モンゴル国、ニュージーランド、パプアニューギニア独立国、フィリピン共和国、シンガポール共和国、台湾、タイ王国(合同訓練のみ参加) ○ その他(1ヶ国)
ベトナム社会主義共和国
イフカ各国消防事情発表
6月10日(金)
13時15分~14時15分
(1) 第1部(3名)
①「局地的集中豪雨に伴う土砂災害とその対応について」
広島市消防局中消防署長 水落 勝氏
②「消防ドローンの設計-火災現場や危険物災害現場における活用方法」
イラン・イスラム国テヘラン消防局都市開発計画部専門官 モハンマドレザ・シェイクフカゼム・バルゼガリ氏
③「香港消防アカデミーについて」
香港消防局長 ライ・マンヒン・デビッド氏
14時25分~15時30分
(2) 第2部(3名)
①「バングラデシュにおける地震災害に対する脆弱性と都市防災」
バングラデシュ消防民間防衛庁長官 アリ・アーメド・カーン氏
②「あらゆる災害に備える-全ての職員の垣根を越えた能力開発」
シンガポール民間防衛庁長官 エリック・ヤップ・ウィー・テック氏
③「未来へ繋げるアジアの消防」
東京消防庁総務部長 松川 茂夫氏
第29回イフカ総会関連行事
○ 理事会
6月9日(水)16時40分から、宴会棟3階のRB-Eにおいて、総会運営打合せ会である理事会を開催し、総会定例会議への提出議案についての審議を行った。また、本理事会において、モンゴル国から1名、フィリピン共和国から13名の正会員の入会が承認された。
○ IFCAA2016大阪国際消防防災展
6月10日(金)から11日(土)の2日間、ATC及び屋外展示場において、イフカとIFCAA 2016 OSAKA実行委員会主催による「IFCAA2016大阪国際消防防災展」が開催され、95の企業等が出展し、2日間で延べ約5万人の来場があった。
○ IFCAA2016消防防災・国際救助隊合同訓練
6月10日(金)10時15分から、ATC屋外の特設会場において、イフカでは2回目となる国際救助隊による合同訓練が行われた。
訓練では、高層ビルからのレスキュー隊員の降下訓練をはじめ、サーチング(倒壊建物等における人命検索)、ブリーチング(鉄筋コンクリート造の壁や床を破壊)と呼ばれるUSAR技術(大規模地震発生時の救助技術)を駆使して、瓦礫の中からの人命救助活動を展開した。
本訓練には、日本国から大阪市消防局及び大阪府内の国際消防救助隊(IRT)隊員、海外からはイフカ会員の所属する9つの消防・防災機関から計17名の国際救助隊員、さらに大阪市消防局にて研修中のJICA研修員が参加した。
(訓練に参加した、イフカ会員が所属する国・地域の消防・防災機関)
① バングラデシュ消防民間防衛庁
② 大韓民国国民安全処
③ マレーシア消防救助庁
④
モンゴル国家危機管理庁
⑤ フィリピン消防庁
⑥ シンガポール民間防衛庁
⑦ バンコク消防救助局
⑧ 香港消防局
⑨ 台湾内政部消防署