会議結果報告
第33回アジア消防長協会総会(マレーシア)
2024年10月22日~10月23日
クアラルンプールコンベンションセンター

2024年10月22日(火)から23日(水)までマレーシア・クアラルンプールのクアラルンプールコンベンションセンターにて、第33回アジア消防長協会(以下「イフカ」という。)総会が開催された。同会場では、第5回マレーシア国際消防会議・防災展、マレーシア国際救助競技大会・イフカ消防救助隊合同訓練も同時に開催され、イフカ会員であるアジア・オセアニア地域の消防長や消防幹部職員を含む25の国と地域から約1,900名の消防関係者が参加した。
合同開会式
22日(火)10時00分からプレナリーホールにて、イフカ総会、第5回マレーシア国際消防会議・防災展、マレーシア国際救助競技大会・イフカ消防救助隊合同訓練の合同開会式が開催された。 マレーシア国歌の斉唱、マレーシア舞踊の披露の後、開催地を代表してマレーシア消防救助庁のノア・ヒシャム・ビン・ムハンマド長官の挨拶、マレーシア住宅・地方自治省のンガ・コー・ミン大臣の挨拶、続いてイフカを代表して吉田義実会長による挨拶が行われた。最後に、ローンチセレモニーにて第33回イフカ総会、第5回マレーシア国際消防会議・防災展、マレーシア国際救助競技大会・イフカ消防救助隊合同訓練の開会が宣言された。
イフカ理事会
10時50分から記者会見が行われた後、11時30分からホール8Aにてイフカ理事会を開催し、イフカ会員の新規加入、第33回イフカ総会への提出議案についての審議を行った。本理事会において、オーストラリア連邦から2名、フィリピン共和国から4名が正会員としてイフカへの加入が承認された。
イフカ総会
昼食後、15時00分からホール8Aにてイフカ総会を開催した。吉田会長が議長をつとめ、初めにイフカ事務局の鳴田謙二事務総長より、新たに6名がイフカ会員として加入した旨の報告があり、続けて以下の4つの議案について審議が行われた。
議案審議
第1号議案 第32会計年度事業報告及び収支決算について
第2号議案 第33会計年度事業計画(案)及び収支予算(案)について
イフカ事務局の鳴田事務総長より説明があり、原案どおり可決された。
第3号議案 国際協力の推進による消防活動能力の向上について
イフカ副会長であるシンガポール民間防衛庁のエリック・ヤップ長官より、以下の決議案が提案され、原案通り可決された。
さらに、近年では、世界的な気候変動等の影響により、これらの自然災害が激甚化、頻発化しており、地域住民の安全・安心に対する関心は一段と高まりを見せ、我々消防防災機関に寄せる期待は、より一層大きくなっている。
このような状況において、我々消防長をはじめ消防防災関係者は、より一層の迅速かつ効果的な対応が求められており、国や地域を超えた協力体制を築き、災害から住民の生命、財産を守るという崇高な使命を達成するために、引き続き全力で取り組む必要がある。
このため、アジア消防長協会は、アジア・オセアニア地域の消防防災機関の連携を強化し、国際会議等での情報交換と経験の共有を通じて、災害現場における消防活動能力の向上を推進するものとする。
次期2026年の第34回総会は、日本国名古屋市にて開催することに決定し、名古屋市消防局の半田修広局長が開催受諾の挨拶を行った。
参加人数 約100名(イフカ関連参加者)
参加国及び地域(イフカ会員) 13の国と地域
バーレーン王国、ブルネイ・ダルサラーム国、香港、インドネシア共和国、イラン・イスラム共和国、日本国、マレーシア、フィリピン共和国、大韓民国、シンガポール共和国、台湾、タイ王国、ベトナム社会主義共和国
マレーシア国際救助競技大会・イフカ消防救助隊合同訓練
翌23日(水)は、9時00分よりエキシビションホール4にてマレーシア国際救助競技大会・イフカ消防救助隊合同訓練の開始式が開催され、続けてイフカ消防救助隊合同訓練を実施した。同訓練では、イフカ会員が所属する7つの国と地域の消防・防災機関から選抜された隊員が合同チームを編成し、自動車事故からの救助を想定したデモンストレーションを披露した。
イフカ消防事情発表
14時00分よりプレナリーホールにてイフカ消防事情発表を実施した。第5回マレーシア国際消防会議・防災展の一部として実施された同発表では、東京消防庁の吉澤亮総務課長、シンガポール民間防衛庁のアブデュラー・ビン・アブ・ベイカー部長補佐、マレーシア消防救助庁のキルディン・ドラウマン火災安全部長が発表を行った。
発表テーマ
1 「東京消防庁が取り組む震災対策と今後の展望」
東京消防庁 総務課長 吉澤 亮 氏
2 「人為的な災害に強いコミュニティの構築」
シンガポール民間防衛庁 部長補佐 アブデュラー・ビン・アブ・ベイカー 氏
3 「サラワク州における火災安全管理の課題及び見解と経験」
マレーシア消防救助庁 火災安全部長 キルディン・ドラウマン 氏
イフカ宣言・イフカ総会開催引継ぎ
20時00分からエキシビションホール5にて行われた意見交換会において、イフカ理事代理であるジャカルタ消防局のエディ・スシプト救助部長によって、第33回イフカ総会の成果としてイフカ宣言の朗読が行われた。その後、マレーシア消防救助庁のノア・ヒシャム・ビン・ムハンマド長官から、2026年の第34回イフカ総会開催地消防機関である名古屋市消防局の半田修広局長にイフカ開催記念プレートが手渡され、イフカ総会開催の引継ぎが完了した。
2日間に渡るイフカ総会は成功のうちに幕を閉じた。
その他関連行事
第5回マレーシア国際消防会議・防災展(IFCEM)
10月22日(火)と23日(水)の2日間、プレナリーホールにて、「持続可能な火災安全」、「災害への備えと対応能力」、「分野を超えた協力」をテーマに、世界各国の消防防災関係者13名による講演が行われた。
また、10月22日(火)から24日(木)までの3日間、エキシビションホール1・2にて、防災展が開催されマレーシア国内外から82社(153ブース)が出展した。
マレーシア国際救助競技大会(MIREC)
10月22日(火)と23日(水)の2日間、エキシビションホール4にてマレーシア国際救助競技大会が開催され、9の国と地域からの10チームが自動車事故の救助スキル、マレーシア国内からの12チームが閉鎖空間における救助スキルを披露した。